理学療法士と作業療法士の違い
理学療法士(Physical Therapist)と作業療法士(Occupational Therapist)は、どちらもリハビリテーションの専門職ですが、それぞれの役割やアプローチが異なります。以下にその違いを説明します。
理学療法士と作業療法士の主な目的
●理学療法士(PT)
主に身体の機能回復や運動能力の向上を目指します。患者さんが日常生活やスポーツ、仕事などで必要な動作を再び行えるようにすることが目的です。
例: 歩行訓練、筋力強化、バランス練習など。
●作業療法士(OT)
日常生活の活動(作業)を通じて、心身の機能を改善し、生活の質(QOL)を向上させることを目指します。特に「生活に必要な動作」や「社会参加」に焦点を当てています。
例: 食事や着替えの練習、趣味活動の支援、職場復帰のサポートなど。
理学療法士と作業療法士の対象とする分野
●理学療法士(PT)
運動器(筋肉、関節、骨)
神経系(脳卒中や脊髄損傷など)
呼吸器や循環器(呼吸リハビリや心臓リハビリ)
主に「身体の動き」に関する問題を解決します。
●作業療法士(OT)
精神面(うつ病や認知症など)
発達障害(子どもへの支援)
社会的適応(対人関係や職場復帰)
「生活全般」や「社会参加」に関連する課題を支援します。
理学療法士と作業療法士のアプローチの方法
●理学療法士(PT)
運動療法(ストレッチや筋力トレーニング)
物理療法(温熱療法、電気療法など)
装具の使用や歩行補助具の指導
●作業療法士(OT)
日常生活動作(ADL)の訓練(食事、入浴、トイレなど)
創作活動や趣味を通じたリハビリ(手工芸、園芸など)
職業訓練や環境調整(住居改修、福祉用具の提案)
理学療法士と作業療法士の対象となる患者さん
●理学療法士(PT)
骨折や関節炎、脳卒中後の患者
スポーツ障害や手術後のリハビリが必要な人
高齢者や運動機能が低下した人
●作業療法士(OT)
認知症や精神疾患のある方
子どもの発達障害や学習障害
日常生活に困難を抱える高齢者や障害者
理学療法士と作業療法士の共通点
医師の指示のもとでリハビリを行う医療専門職。
患者さんの生活の質を向上させることを目指す。
チーム医療の一員として、他職種と連携しながら支援を行う。
まとめ
理学療法士(PT):「体を動かす力を取り戻す」ための専門家。
作業療法士(OT):「生活や社会参加を取り戻す」ための専門家。
患者さんの状態や目標に応じて、これらの専門職が協力して支援を行います。